先日のちょっとした“事件”をお話ししたいと思います。
「小籠包との戦い」である。
ことの発端は「なんかいい感じのごはん食べたいな〜」という、ふわっとした欲望だった。ラーメンでもない、カレーでもない、寿司はちょっと気分じゃない……と迷走した末、脳内に現れたのがあの罪深き存在——小籠包。
あの、見た目は可愛いのに中に凶器(あの中に入っているスープ)を仕込んでいる。
いざ対面。
つやっつやの皮。ぷるんとしたフォルム。どう見ても「一口でいけるでしょ?」と言っている。
——いや、ダメだ。これは罠だ。
過去の経験が警鐘を鳴らす。「油断した者から火傷する」と。
しかし、人は愚かな生き物である。
私はレンゲに乗せ、ほんの少しだけ皮を破るという“プロっぽいムーブ”をかました。
完璧だ。これで中のスープを冷まして……と。
思った次の瞬間。
ぶしゃっ
予想の3倍の勢いでスープが飛び出し、危うく隣の空間にいる誰かの未来を変えるところだった。危ない。小籠包はやはり武器だ。
気を取り直して、今度は慎重に、慎重に……。
ふーふーして、そっと口へ。
——うまい。
いや、ちょっと待ってほしい。うますぎる。
さっきまで「熱い」「危険」「武器」などと言っていたのに、すべてがどうでもよくなるレベルでうまい。肉の旨みとスープのコクが口の中で大渋滞を起こしている。
結論:小籠包は危険だが、それ以上に抗えない。
その後も私は、何度も「今度こそ完璧に食べる」と挑戦し、何度も「ちょっと熱い」という学びを得ながら、最終的には無言で食べ続けるフェーズに突入した。
人は本当に美味しいものを前にすると、語彙を失うらしい。
気づけば蒸籠は空っぽ。戦いは終わった。
勝ったのか負けたのかはよくわからないが、少なくとも満腹という名の平和は訪れた。
帰り道、私はこう思った。
「また戦いに行こう」
——次こそは、一滴もこぼさず食べてみせる。
たぶん無理だけど。
さて本日はスロセレ取材