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皆さんこんにちは、ダイナム高崎箕郷店の永井です。

今回から始まった【従業員永井の百物語】のコーナーです。

夏にヒヤッとするお話をご紹介してまいりますので、ぜひお楽しみにして頂ければと思います

 

今回紹介する怖い話は

【ヤマノケ】‼

この怖い話を紹介していきます。

 

 

 

 

<内容>

これは一週間前の話だった。

娘を連れてドライブに行った。

なんてことのない山道を走り、途中のドライブインで食事を終え、娘を驚かそうと思い未舗装な脇道に入り込んだ。

 

 

娘の制止を振り切りどんどん奥へ走っていたら、急にエンジンが止まってしまった。

山奥なので電波もなく、車も通らないような道であり、日も暮れてきたので、その日は車中泊し、明日近くのドライブインに行こうということになった。

あたりはすっかり夜になり、娘も助手席で寝てしまった。

自分も寝ようと目をつむっていると…

 

何か聞こえてきた。

声か音かわからなかったが、「テン…ソウ…メツ」って何度も繰り返していた。

最初はなにかの聞き間違いだと思っていたが、なぜか音はだんだんとこちらに向かってきていた。

そしておれは目を開けたんだ。

 

 

そしたら、白いのっぺりとした何かが、めちゃくちゃな動きをしながら向かってきているのが見えた。

形はウルトラマンのジャミラみたいで頭が無くて足が一本だった。

それがケンケンしながら両腕をぶん回して体全体をぶれさせながら近づいて来てた。

怖くて叫びそうになったが、なぜか隣の娘をおこしてはいけないと思い、叫ぶこともできずにいた。

やがてそれは車の脇を通りすぎていったが、通り過ぎる時も同じことをずっと言い続けていた。

 

 

音が遠くなり、姿が見えなくなり、娘のほうを見ると、

 

 

--------------それはいた。

 

助手席の窓から見ていた。

胸のあたりに顔がついており、思い出したくもないほど醜悪な笑みをしていた。

 

俺は恐怖など吹っ飛び、娘を守ろうとそれに叫んだ。するとそれは消えて、娘が目を覚ました。

 

俺の怒鳴り声に驚いて起きたのかと声をかけようとすると、娘が、

 

「はいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれた」

 

ってずっと言ってる。俺はもうパニックで車のエンジンをかけようとした。

エンジンはすんなりとかかり、俺は急いで道を戻った。

その間も娘の様子はおかしくなり、このままではやばいと目についた寺に駆け込んだ

 

夜中だったが、灯りがついていたので娘を連れて前まで行きチャイムを押してみると、中から住職らしき人が出てきて娘を見るなり「なにをやった!」って言ってきた。

俺は事のあらましを言うと、住職は残念そうな顔をして、気休め程度にしかならないだろうが、と言いながらお経をあげ、娘の背中と肩を叩いた。

住職が泊まっていけというので、泊めてもらうことにした。

娘は【ヤマノケ】に憑かれたらしく、49日経ってもこの状態が続くなら一生戻ることはないらしい。

そうならないように、住職が、娘を預かりヤマノケを追い出す努力はしてみると言ってくれた。

妻には俺と住職から電話して伝えた。

 

ヤマノケは女性に憑くらしく、妻はまだ娘に会えてない。

一週間経ったが娘はまだ住職のところから帰ってない。

毎日様子を見ているが、もう娘じゃないような醜悪な笑顔をしていた。

早く元の娘に戻ってほしい。

 

皆さんも山には気を付けてほしい。

山にはどんな危険があるか分からないから……

 

 

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

”従業員永井の百物語”は7月~9月の夏限定更新となります。

次回、第二夜でお会いしましょう。